福留良尚

第80回「腰の不安定性について解釈と対策」

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From.IAIR 福留良尚

 

国際統合リハビリテーション協会【IAIR(アイエアー)】コラム

本日もご覧いただきありがとうございます。

 

 

腰痛を抱える患者の機能障害に

  • 可動性低下
  • 筋力低下
  • 不安定性  等があります。

以前はこの【不安定性】というものの病態が良く分かりませんでした。

 

「筋力と何が違うのか?」

「同じ腰痛であってもそれがどのように影響するのか?」

 

今回は腰骨盤部の不安定性について私見を交えながらお伝えしていきます。

 

 

D.A.Neumann著【筋骨格系のキネシオロジー 2012.3.20 第2版】によると

「腰骨盤部の不安定性とは、有痛性で一般に非特異的で、1つまたはそれ以上の関節の過剰運動性を示す状態のことをいう」

と言われています。

 

痛みと過可動性。

通常より可動性があっても、痛みを有していない場合は不安定性ではないということ。

例えばスケート選手、かなりの可動性を持っていますが、コントロールされた状態なので不安定性ではないわけです。

 

不安定性を見るテストには、Passive Lumbar Extension Test(PLE)が有効であるという論文があります。

どのようなテストかは以下の論文より。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25866618

 

 

非特異的腰痛(ヘルニアや脊椎すべり症のような明らかな所見がないもの)であるということは、過剰な筋収縮による筋性疼痛、椎間板や神経組織などの構造物に掛かる物理的なストレスが原因と考えられます。

このような状態が続けば特異的腰痛(所見のある腰痛)へと悪化していくわけなので、不安定性を抱える腰痛患者に対して適切なアプローチが必要なのは言うまでもありません。

 

 

何故不安定性が生まれるのか?

 

非特異的腰痛を抱えるクライアントの多くは、同一姿勢を維持する仕事をしていることが多いです。

例えば、長距離運転手、事務系、農家など。

 

慢性腰痛を抱えているにもかかわらず、病院では明らかな所見がないため痛み止めと湿布。

「もうどこに行けばいいか分からない...」と助けを求めてくるクライアントは多いです。

 

 

これらのクライアントの機能障害の特徴

  1. 内在筋の不活性
  2. 内外の筋バランス不良
  3. 筋持久力の低下

大きく分けるとこの3つ。

①いわゆるコアと言われる部分が働かず、上半身の重量(全重量の2/3)が腰仙部へ掛かる。それによって身体のバランスが崩れ、代償的に過剰な緊張状態に。どこが緊張するかは仕事の内容や性別、体型などによって異なる。

②コアが働かない分、外在筋が過活動状態。しかし姿勢コントロールに不向きで持続的収縮が続かず(速筋繊維が多い)、疲弊し機能不全に。固定することでしか姿勢をコントロール出来なくなる。

③運動する機会が少ないことで、筋の持久力が著しく低下。

 

 

この中でも一番重要視しているのが①の問題です。

これを私は【癖】とクライアントには伝えています。個々がそれぞれのパフォーマンスにどんなパターンの筋活動を動員しているか、この評価とアプローチがクライアントの今後に大きく影響します。

単純に弱い筋を動員すればいいというのではなく、動員のバランスが重要なんです。

 

コアだけを選択的に活動させることも重要ですが、外在筋とのバランス、そして持久力。

間違っても疲弊している外在筋をマッサージするということは、このようなクライアントにはしません。

コアが働かず、何とか外側を緊張させて姿勢を安定させているのにそこを緩めれば、拠り所を失い、腰仙部への負荷は増えます。

つまり悪化する可能性があるということです。

 

それら全体的なバランスを向上させていく方法として私は「ウォーキング」をクライアントに推奨しています。

 

 

「とにかく力を抜いて歩いてください」

 

余計な緊張感は外在筋を緊張させます。そして痛みや不動筋の影響によって、腰骨盤部の固有感覚も低下していることがほとんどです。立位のバランスも良くない。

 

徒手によるアプローチももちろん重要です。

しかし、全体の筋の動員バランスを再学習していくためには、「能動的」であることが重要だと私は常々思っています。

セラピスト任せでは自己治癒力は高まりません。

 

 

不安定性の問題には、後方の靭帯系や関節包の存在も忘れてはなりません。

特定の姿勢を続けることは、それらに対して持続的な伸張刺激を加えます。

ゴムが伸ばされ続けるとヘタってしまうように、人体組織もその伸張性を維持できなくなるわけです。

 

やはり①が大きく関わってくるようです。

 

 

それでは本日はここまでに。

具体的な徒手によるアプローチや運動療法については、また次の機会。

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

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