吉田ひとみ 女性向け

日本の産前産後ケア普及に必要なリハビリテーションの視点は?

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こんにちは、吉田ひとみです。

先日、神戸で開催された「日仏ウィメンズヘルス合同学会」に参加してきました。
せっかくですので、そこで学んだことをシェアしたいと思います。

まず、フランスにおける女性のリハビリテーションをご紹介されていましたので
日本との違いを感じながら読んでいただけるとよいかとおもいます。

結論から言いますと、日本の女性ケアが普及するために必要なリハビリの視点というと

「男性との違い」を理解すること。

これに尽きるかと思います。
そして、仕事や生活習慣にその理解を反映させていく「予防的視点」というのが重要です。

フランスでも、日本と同じように平均寿命は女性の方が高い(84.8歳)のですが
女性の寿命を左右する因子として

・男性と同じような生活(アルコール、タバコの常用)
・家庭内暴力(DV)
・循環器、呼吸器疾患

フランスでは、女性の循環器、心疾患は年々増えていて
原因としては、肥満や糖尿病についで、妊娠に伴うものが多いとのこと。

ここで、フランスの理学療法についてですが

フランスでは開業権があるので、PTの8割は開業しているとのことです。
医師が処方し、理学療法にはもちろん保険が適応されます。
また、予防的に自費での理学療法を受けることも可能。(あまり多くはないようです)

なお、フランスでは産後リハビリテーションがあり
なんと、10セッションまでは保険で10割負担してくれるそうです。(つまり無料)

さきほど述べた妊娠期に起こりやすい疾患などもそうですが
女性に多い疾患というものがあります。

1.TMS(繰り返し使用することによる筋骨格系障害)→つまり仕事やスポーツなどでの使い傷めです。
職業病のうち第1位がこのTMSで、女性は58%を占めるということです。
まさに理学療法が必要とされる分野、という感じですね。

2.尿失禁
骨盤底筋の問題により尿失禁を起こしやすいのは圧倒的に女性です。
問題を持つ人のうち、8割が女性。

3.転倒による骨折など
これも、76%が女性です。市役所がPTを呼んで、転倒予防スクールなどが実施されています。

これらのことから考えてみると、

「女性は、男性よりも筋力が弱く、それが身体の不調へと影響しやすい」

ということが見えてきますね。

労働に関して、男性と同じようなことをすれば、早く身体(筋骨格系)を壊すのは女性。

また、妊娠出産に伴う疾患が起こりやすい(=ホルモンの変化)ことから、
若い女性も、生活習慣や仕事環境に配慮していかないと
ホルモンバランスが崩れ、疾患を引き起こしやすいということが言えますよね。

産後の女性はなおさらです。(出産は受傷ですから)

まとめますと

1.女性の疾患が増加している
2.骨盤底に問題のある人のうちの8割が女性
3.フランスは産後リハが10回分全額保険でまかなわれるほど大事にされている

働ける女性が少なくなることは、社会にとって大きな損失です。

男女の特性を理解し、仕事や生活習慣に反映させる予防的視点を常に持って
女性のリハビリテーションに関わる者は、クライアントを適切に評価し
再教育(生活、環境)して行くことが必要ですね。

また、産業医学(エルゴノミー)の視点からも学んで来たのですが
こういったことを実践していくには、個人(対クライアント)へのアプローチだけでは限界があります。

もっともっと、社会を変える、国家を変えるといった関わりが必要となります。

個人にはどのような評価や関わりが必要か、会社にはどのようなことを伝えて行かなければならないか
国にはどのように働きかけていけばいいか

そんなことも頭の片隅に入れながら、
みなさまも、日々の臨床に、目の前の患者様に関わっていただければと思います。

それでは、お読みいただきありがとうございました。

 

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