No.143 空気読めない先輩PTがリハビリ室をぶち壊した話(臨床あるある)

週刊 福田陽介

No.143 空気読めない先輩PTがリハビリ室をぶち壊した話

昔々の話です。

あるリハビリ室の若い理学療法士(PT)は

「なんとかして患者さんに良くなってもらって、喜んでほしい」

という情熱に溢れていました。

 

 

その情熱とは裏腹に、そのPTは現実として結果は出せていませんでした。

そのPTは技術や知識を身につけようと、積極的にセミナーや研修会に通うことを決めます。

 

ただ

 

一人で行くことにためらいがあったそのPTは、先輩を誘ってみましたが、断られました。

一度だけでなく、何度もさそいましたが、その都度断られました。

先輩は、新たな勉強をする意思はなく「今度教えて」と言うだけで、後日話を聞いてくれることもしません。

 

そのPTは仕方なく「一人で」勉強に出かけます。

様々な考え方、知識、技術を身につけ、次第に臨床でも結果が出るようになってきます。

 

そのPTは患者さんの間でも話題になり、担当外の人からも代診を希望されることが出てきました。

患者さんからも「あの人が担当してくれると具合が良い」と言われるようになりました。

 

 

同僚や後輩は、その現実に気づき、臨床の技術的な相談をしてくるようになりました。

 

セミナーや研修で、知識や技術を増やし深めることが、自分自身(そのPT)にとっても、患者さんにとっても、リハビリ室にとっても、良い影響が出ているように感じていました。

 

しかし、ある日、先輩から

「他のスタッフができないようなテクニックは行うべきではない」

と指摘されます。

 

・・・

 

その先輩の理屈では

「診療報酬でリハビリテーション料が一律に定められている以上、PTによって提供できるサービスに違いが生まれるのは患者さんにとって不公平だ」

「だから、全員ができることをやるべきだ」

とのこと。。。

 

 

そのPTはとうてい納得はできなかったけど、「先輩に逆らう技術」はまだ身につけていなかったので、従うほかありませんでした・・・。

 

そのリハビリ室は、部屋全体の技術水準が低く、モチベーションの上がらない暗い空間となってしまいました。

療法士が学んだことを実戦で表現できないために、学ぶ意欲が薄れ、周囲と合わせることで「満足」が生まれてしまいました。

部屋全体が低水準なので、患者さんも「そういうもの」として納得をしてしまい、体をよくすることではなく「リハビリ室に行く」ことが目的になってしまっていました。

そのような状況に、誰も異を唱えない空間が出来上がりました。

(そんな職場、辞めてしまえばいいのにね)

 

 

さて、この先輩の言い分、行った措置を見てみましょう。

あなたはどう考えますか?

言っていることは、もっともなことを言っているように聞こえなくもないです。

 

違和感があるんですよね。

 

この先輩、所属している組織の「高い方」ではなく「低い方」に水準を合わせて行ったのですよ。

そんなことしたら、集団としての成長は起こらず、ただただ腐敗していくだけなのに。

 

理由を考えてみましょう。

・プライド(自己保身)のため

・努力(勉強)したくないため

・出るかどうかわからないクレーム対応が面倒だと予想したため

などなど。

 

 

理由は、断定できませんけど、間違い無く言えることは、この先輩の言動によって

「あるPTの成長のチャンスはへし折られ、このリハビリ室全体の技術水準は低水準で安定してしまった」

ということです。

 

 

この話は、事実を脚色した作り話ですが、これに近いことはあなたの近くで起きていませんか?

 

先輩、

勉強している人、意欲的な人の

邪魔はしないでください。

 

気に入らなければ、距離を置いて見守っていてください。

トラブルが起きそうな時に、助けてあげてください。

 

年長者の役目は、後進をつぶして、優越感に浸るのではなく、後進の踏み台になって自分を乗り越えてもらったり、後進の盾になってあげることにあるのではないでしょうか?

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後進たちを自分以上に伸ばしてあげることができたら、先輩であるあなたは、もっともっと評価されるものです。

 

 

足元のちっさい部分を見て、ごちゃごちゃせず、大きな視野と未来志向で、組織を見てあげることが役割です。

おねがいですから、邪魔だけはしないであげてください。

 

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