【作業療法が、脚光を浴びない理由とは?】

【作業療法が、脚光を浴びない理由とは?】

こんにちは。IAIR関西支部代表 作業療法士の吉田ひとみです。

今回は、こんなタイトルにしてしまったので強調しておきます。

 

作業療法士が、「作業療法が脚光を浴びない理由」を語ります。ご了承ください。

 

作業療法って知っていますか?

 

病院のリハビリ室で、風船でバレーしているのを見たら、だいたいそれは作業療法士です。

患者さんと塗り絵をしていたら、だいたいそれは作業療法士です。

音楽聴きながら、適当に歌を歌っていたら、だいたいそれは作業療法士です。

病棟で、お食事の際にスプーンの使い方や箸の練習を看護師さんじゃない人がしていたら

だいたいそれは作業療法士です。

スプーンの柄を太くしたり、ボタンをつける器具を持ってきたり

ブラジャーを片手で付ける器具を開発して来たり

靴下をはく道具を持って来たら・・・なおかつみすぼらしい道具の場合

だいたいそれは作業療法士です。

 

他の領域の方に作業療法士と名乗ったら、「理学療法士さん」とおぼえられます。

看護師さんには、「患者さんと遊んでいて楽しそうですね」と言われます。

 

こんな作業療法士、何をしているんでしょうか??

 

この理由は、作業療法の起源にさかのぼるのです。

 

”18世紀後半、精神を病んだ狂人を鐵の鎖から解き放し、あなぐらから連れ出し、

陽光の下での農耕や、音楽を楽しむことによって、その人間性の回復を図ろうとした”

このような方法で”失われた、人間としての権利を回復する”「モラル療法」というのが

作業療法の起源になります。

 

そこでは、病者の「異常性」ではなく「正常性」に目を向けることを強調しました。

 

この、モラル療法の結果、多くの患者様が立ち直って行く姿を実際に経験した

先駆者が、当時医師や看護師の片手間に行われるのはおかしい、として

「作業」を治療手段とする専門職として作業療法士を設定したのが日本での始まりです。

 

医者や薬では治らない病者が、立ち直っていくという結果にも関わらず

作業療法が脚光を浴びない理由は何か?といいますと

 

多くの人は、異常(欠陥)に目を向け、それが良くなったら「すごい!!」となります。

 

医者なら、病気(異常)が回復した!すごい!

歩けないのが歩けた!すごい!となるわけですが、、

作業療法では「正常性」に目を向けるのです。

その人の正常な部分つまりできることに目を向けるので

その、ビフォーアフターの格差が非常に他者から「見えにくく」なるのです。

 

わたしの例をお話しします。

わたしの、入職して1番始めの患者様でした。

当時、PT(理学療法士)だけが担当していたところに追加オーダーが出ました。

その患者様は、くも膜下出血の発症後何年か経っている方で

拘縮といって、関節が固まって膝が伸びない状態でした。

目を開いてもすぐに眠くなって、そもそも何かをしようという意思があるのかもはやわかりません。

日常生活は全て介助でした。膝が曲がって固まっているので立てません。

 

理学療法士は、それまでベッドで伸びない膝を一生懸命伸ばすという訓練をしていました。

車いすに乗せることもほとんどなく、日常生活は全く変化ありませんでした。

 

そこで新人のわたしがしたことは

車いすに乗せて、理学療法室につれていき、風船バレーをするというものでした。

周りのセラピストは、その方が部屋を出て来たことには驚いていましたが

風船バレー自体は特に驚きはしませんでした。

 

しかし、その患者さんは風船バレーのときだけは、目線が風船を追いかけました。

そのうち、顔を洗ったり、歯磨きのときも起きていられるようになりました。

 

車いすなしでは座っていれなかったのが、ベッドの端に座っていられるようになりました。

奥様が、自分で患者様を車いすに乗せて散歩をするようになりました。

 

ベッドで、覚醒度の低い状態で寝ているだけだった患者様が

すこし、生活をし始めているのにお気づきでしょうか。

 

異常性=膝がよくなったらもしかしたらそれは「すごい」のかもしれません。

しかし、膝はそのままでした。。

 

つまり、ビフォーアフターで見ると、作業療法の介入によって

けっこう「すごい」ことが起こっているのです。

が!

 

なにぶん、やっていることは「風船バレー」。

そして「手を洗う練習」

つまり、だれでもできる、めずらしくないものです。

 

「なーんだ、そんなの誰でもできるやん」って思われるやつです。

 

しかし、、それ本当ですか????

できないんですよ。

「そのプログラムを提案すること」は作業療法士だからできたことなんです。

 

実際、それまで誰もやっていなかったんですから。

 

作業療法士が目立たない理由。

その1.異常性ではなく、正常性に目を向けるが故に、外から見た目の変化の度合いが小さい。

その2.プログラムがあまりにも一般的

 

なんとかかんとか療法、なんとかテクニック、

最新の◯◯治療法を導入してるとかいったらかっこいいでしょ?

 

作業療法には、ないんですよそのかっこよさが。

 

でも、よく考えてみてください。

 

もう1つ気づいて欲しいんです。

「誰でもできる」ことを提案できる、作業療法士は素晴らしいということに。

だって、患者様・クライアントを支えるのは

最終的にはセラピストではなく、ご本人もしくは身近な他人であるからです。

 

いかがでしょうか。

医師や看護師と同じ医療系国家資格にも関わらず、作業療法士が脚光を浴びない理由。

 

それは、あまりにも人の根源に寄り添い

身近にありすぎるものを治療手段としているが故に

外からはその価値が伝わりづらいから。

 

いかがですか?

いつか、あなたも作業療法士にお世話になる日が来るかもしれません。

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それでは、お読みいただきありがとうございました。

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